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「県境で何が起きているか。 ~中国地方の境界線での生活課題~」越境のしくみづくりプロジェクト成果報告会 開催報告(中間報告)

3月 4, 2014

個人・家族の課題解決集落・組織の課題解決 おしらせささえあうしらべるまもる

「県境で何が起きているか。~中国地方の境界線での生活課題~」
越境のしくみづくりプロジェクト成果報告会 開催報告(中間報告)

・日時 2014年2月18日(火)13:30~16:30
・会場 岩国市民会館
 (山口県岩国市山手町1丁目15-3)
 
 
今年度、中国5県の中間支援NPOと連携して、みんなの集落研究所もチームの一員として、
進めております「越境のしくみづくりプロジェクト」の成果報告会を実施いたしました。
山口県での開催となりましたが、県内外から行政の方、NPOの方など様々な方にお越し頂きました。
ありがとうございました。
~当日の流れ~
■成果報告
13:35~14:45 成果報告会(報告者:NPO法人みんなの集落研究所 首席研究員 阿部典子)
  [事例紹介]・岡山県苫田郡鏡野町と鳥取県東伯郡三朝町の場合 
       ・岡山県新見市千屋と鳥取県日野郡日野町の場合
成果報告会で使用した資料を以下に添付しています。
140218越境プロ報告_成果報告.pdf
歴史や文化、住民の方の生活圏などを見ると、県境をまたいでの行き来が見られますが、
県境という行政区によって隔てられていることにより、近くの病院に行けない、
お店に行くバスがないなど住民の方の生活に大きな影響を与えています。
平成の大合併で市町村が大きくなると同時に、境界に位置する町村では
中心部から遠くなり、生活のためのサービスが低下しつつあります。
県を超えての災害協定、医療連携など大きな単位での取り組みはあるが、
住民の生活が実際はどういうふうに営まれているのか、
把握ができていないのが現状であり、その課題調査を実施した成果が
今回の成果報告会となっています。
調査でわかったこととしては、
・行政区の壁「移動エリアの制限」「医療や消防の課題」
 →県境を超えての移動手段がなかったり、消防が遠くの市街地からしかこないなど、
  行政区の都合により、住民の生活が損なわれているケースが見られました。
・行政区を超える商「移動販売やタクシーの活躍」
 →古くからの県境を超えての行商文化があり、
  それが移動販売という形で長年の間、県境地域の住民の生活を支えてきたという事例がありました。
・行政区を超える生活圏「古くから、双方が集まる文化のある場所」
 →地域文化が共通するため、県境を超えて一緒になってイベントなどに取り組んでいる事例がありました。
 
というように、行政区による弊害だけでなく、
それを超えて営まれている民間や地域の取り組みが見られるということです。
その民間での取り組みから県境を超えて生活を支えるためのしくみづくりを
進めようとしているが、地域や民のレベルでも遠慮や商圏などの壁が存在することが
徐々に分かってきて、今後実施に向けて慎重に進めていく予定です。
事例紹介では地域で実際に生活され、地域に詳しい方を招いて、お話を頂きました。
交通の課題、余ったインフラの活用、高齢者の心の過疎問題など、
生の声をお話頂いたことで、参加者の方からも共感を得ることにつながりました。
県境での課題について、多くの方に知ってもらわなければならないと実感しました。
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■県境の課題解決のための円卓会議
14:45~14:55 休憩
14:55~16:25 パネルディスカッション「県境の課題解決のための円卓会議」
  (以下、着席者・敬称略・順不同)
 ・岡本勝光 (NPO法人てっちりこ 理事長、NPO法人みんなの集落研究所 会長)
 ・平田隆邦 (農夫)
 ・阿部典子 (NPO法人みんなの集落研究所 首席研究員)
 ・伊藤 彰 (やまぐち県民活動支援センター センター長)
 ・中村隆行 (NPO法人広島NPOセンター センター長)
 ・石原達也 (NPO法人岡山NPOセンター 理事、NPO法人みんなの集落研究所 代表執行役)
 ・石田篤史 (一般財団法人みんなでつくる財団おかやま 代表理事)
 ・鷲澤なつみ(公益財団法人トヨタ財団)
 
後半は地域事例発表者と中間支援NPO、市民財団、トヨタ財団を交えて、
円卓会議を実施し、県境での課題について議論しました。
災害時の連携、時代に合わせたルール変更、インフラ活用、
民が関わりやすい仕組みづくり、地域複合サービスなどのキーワードが出ました。
また参加者同士でも意見交換をして頂き、
自分の住む地域の境界における課題などについて話し合いました。
140218越境プロ報告_進行メモ.pdf
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今回の成果報告会で、県境の課題をより多くの方に知って頂くことができました。
各地域での課題についても教えて頂き、次の展開への貴重な示唆を得ることができました。
また参加頂いた方の間で、県を越えたネットワークづくりにもつながりました。
今後は事例発表した地域での取り組みを進めるとともに、
交通、インフラなどテーマを絞った議論の場づくりとそのための調査、分析を行っていきたいと思います。
※このブログをご覧の方で県境地域での生活課題、あるいは課題を解決した(しつつある)事例などご存知の情報があれば、ぜひ教えてください。